Hikaaaru

愛を読むひとのHikaaaruのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
5.0
泣いた。ボロボロに泣いた。こんなにも泣いたのは、私が女で、もう若くなくて、ハンナのように自分の自尊心が自分の人生や人間関係を邪魔している自覚があって、そんな自分が憎いからだと思う。愛する人にも自尊心を保とうとして素直になれない、自分をさらけ出せない、人生まで棒に振る不器用で愚かな彼女だけど、そんな彼女が時々自分と重なった。愛する人のすべてを知りたい。すべてに触れたい。傷ついてるなら癒やしてあげたい。愛しているならばそれが普通だろう。しかし触れられたくない傷もある。触れないで。お願いだから、そっとしといて。そんな彼女の気持ちが痛いぐらいに分かって切なかった。触れようとしてくる人が憎いんじゃなくて、知られるのが怖い。そんな弱い自分が憎い。それでも、その気持ちを理解してくれて、無理に触れようとせず、ただただ彼女の求めてることに応えてくれるマイケルの深い愛を受けながらも、最後の最後までマイケルに素直になりきれず、罪の念からあの決断をした彼女の気持ちも分かって、切なかった。
Hikaaaru

Hikaaaru