じゅぺ

ラストキング・オブ・スコットランドのじゅぺのレビュー・感想・評価

3.2
ウガンダの独裁者アミン。彼の統治下で数十万人の国民が犠牲になったことから「黒いヒトラー」「人食い大統領」の異名を持っています。かなり猟奇的な趣味があったそうで、調べるといろいろ出てくるんですがなかなかに不快なのであまりオススメしませんw

今作はそんな彼がウガンダ大統領になり、やがて冷酷な本性を現し独裁者になっていくまでを、架空の新米医師の立場から見つめた作品です。結構脚色が入ってるらしくどこまでが史実なのかわからないのですが、興味深い内容でした。

語り手となる新米医師はウガンダで医師活動をする中でアミンに気に入られ主治医になり、やがて側近の役割まで果たすようになります。彼がアミンの本性を見抜けず、権力の魅力にとりつかれて堕ちていく様をジェームズマカヴォイが好演。ウガンダの現実を甘く見た青臭い感じがよく出ています。初々しさがあふれていました。

そして注目はアミン役のフォレストウィテカー。人間臭さの中に暴力と狂気を秘めた絶妙なバランスには脱帽です。ときどき普通の人に見えるからこそ、よりサイコ感が強まって気持ち悪さも倍増です。無邪気に笑う姿には寒気を覚える。これは見ていただければわかると思います。

新米医師とアミンの関係性の変化、だんだんと危険な状況に陥っていく過程は見応えがあります。僕の知識不足でどこまでがフィクションなのかイマイチ判断がつかず、歴史を学ぶという点では微妙なのですが、権力の沼にはまっていく人間のドラマとして良いものになってきたと思います。ぜひ機会があればどうぞ