仮住夢愛

ラストキング・オブ・スコットランドの仮住夢愛のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

フォレスト・ウィテカー目当て。

イディ・アミンというウガンダの残忍な大統領がいた、ということを知らなかった。人の命があんなにも軽く扱われてしまうのがとても怖い。

本作では真実にフィクションを交えたストーリーということだが、独裁的な部分は本当のよう。子供のような心で、周りを好きなもので堅め、疑いあるものは処分する。気分屋で機嫌のいい時はユーモア溢れる人物だが、一度琴線に触れると表情が一変する。第3夫人の殺し方は、本当かどうかは分からないが、彼ならやったであろうたいう殺し方が描かれている。四肢を切断し、足に腕を、腕に足を縫い合わせて見せしめるような殺し方。

英国人は嫌いだが、スコットランド人は好きらしく、その精神を受け継いでいるんだとばかりに、彼が名乗るのは、スコットランド最後の王。タイトルの由来。

★フォレスト・ウィテカーの演技の幅に驚かされる。アミンを知ろうと様々に研究し、撮影人はまるで彼にアミンが乗り移ったかのように映っていたそう。
ウィテカー自身難しい役どころと言いながら、彼を知る中で残忍性だけでなく、非常に人間的でユーモアある人柄に親しみを覚えたらしい。撮影を終えてホッとしたというのは、今はいないアミンに心を侵食しかけたからなのだろうか。

★医師役の人は、軽い気持ちで巻き込まれていった自業自得な展開だが、最後には何が正しいのかどうか、見極められてよかったな、と思いたい。

☆☆
日本にはない、でも忘れ去られてはならない史実という意味では、観てほしい作品。
フォレスト・ウィテカーの名演にも注目。
仮住夢愛

仮住夢愛