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凡ては夜に始まるの一人旅のレビュー・感想・評価

凡ては夜に始まる(1960年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジョセフ・アンソニー監督作。

ディーン・マーティン&シャーリー・マクレーン競演のコメディ作品で、勘違いが生んだ男女のドタバタと恋の行方をユーモラスに描いています。

大手出版社の社長がホテルの一室で急死。会社を引き継いだ甥っ子:トニーは、ホテルの警備員から、社長が死んだホテルの一室からバスタオル一枚姿の女性が飛び出してきたと知らされる。トニーは女性スキャンダルによる会社のイメージダウンを恐れて、社長の愛人であったと思しき女性の特定に奔走。すると、出版社の労働組合で働いているヒロイン:ケイティが社長の愛人だったのではないかと疑い始めるが―というミステリータッチのラブコメディで、本当は只の純情な女性なのに、トニーや他の重役たちによって“死んだ社長の愛人”と誤解されてしまったケイティを巡るドタバタ騒動と、そうこうしているうちに惹かれ合っていくトニー&ケイティの遠回りな恋の行方を、“社長が死んだ夜に何が起きたのか”―という一種のミステリーとその解き明かしをエッセンスに描いた“勘違いコメディ”の快作となっています。

トニーを演じたディーン・マーティンの好演もさることながら、ヒロイン:ケイティを演じたシャーリー・マクレーン(撮影時26歳)の存在感が炸裂した作品で、トレードマークであるショートヘアの可憐なルックス&無邪気な仕草&たどたどしい喋り口調がとびきり魅力的に映ります。シャーリー・マクレーンはほぼ同時期に『噂の二人』のような陰性の映画にも出演していますが、彼女が最も輝くのは本作や『アパートの鍵貸します』、『あなただけ今晩は』、『泥棒貴族』のような明朗コメディであることに間違いありません。
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