シャキッと舌郎

エターナル・サンシャインのシャキッと舌郎のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.7
楽しい記憶は薄れやすく、苦い記憶は脳に残るという。


あなたの声が好きだったのに、今やその声も不快に感じる。
譲ってくれるところが好きだったのに、優柔不断なところにイライラする。
いつでも笑わせてくれるところに惹かれたのに、ふざけてばかりで面倒になる。
あなたの感性が好きだったのに、そのこだわりに嫌気がさす。

好きと嫌いは紙一重。

あんなに心惹かれていたのに過ごす時間に比例して当たり前になり、共に過ごせるありがたみを忘れ、好きだと思っていた部分が嫌いになってしまったりする。


相手に嫌悪感を感じてから楽しかった日々ですら苦痛だったと、時間の無駄であったと知らぬ間に記憶を改ざんしてしまうこともある。こんな記憶消してしまいたいと。

そして手放して、または時間とともに気づく幸せやありがたみがある。

大切な人と過ごした時間は辛い記憶も何気ない日々も全てかけがえのないものなのだとこの映画は気づかせてくれる。


恋愛においてだけでなく、人生においても当てはまる。
すごく勉強したのに不合格になった試験。
あんなに練習したのに負けた試合。
ムシャクシャして、無駄だったと、時間を戻したい、辛い記憶を消し去りたいと思うこともある。
大事なのは過去と向き合い、未来へと繋ぐチカラだ。