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タレンタイム〜優しい歌のgyaro311のレビュー・感想・評価

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)
4.2
8年越しの日本公開!
舞台挨拶ありとのことで、
初日初回を観てきました!

瑞々しくて、どこか懐かしい、
どこまでも優しい映画でした。
最初はストーリー進行が独特で
違和感もあったのですが、
見進めていく内にストーリーと意識が
ビタッと合致。
すると、その世界観に引き込まれ、
すっかり浸り始めた時に幕が下りた感じでし

懐かしさの所以はどこにあるのか。
アディバ先生の舞台挨拶の時に
チャンスがあったので、
ヤスミン監督が影響を受けた監督は誰か、
聞いてみました。

アディバ先生は「知らない」とのこと
でしたが、司会の方が、
ヤスミン監督が好きな映画は『街の灯』。
好きな監督は・・・
山田洋次さん、小津安二郎さん、
ウォン・カーウァイさん、
アッバス・キアロスタミさん
ときたので、すごく納得。
正にそれらの監督が持つ特徴が
ところどころで感じられました。

なんとなくジグザグ道が出てくるけど、
デートの描き方は、すごくおしゃれ。
各家庭の描き方が、すごく優しかったり、
親に威厳があってシリアスだったり。
また、あるあるという、細かい笑いを
随所に織り交ぜていたりと、
アジアの巨匠たちの感性が、ゆるーく、
適度にミックスされている感じ。
他民族国家のマレーシアならではです。
それが瑞々しくて、懐かしい、
あの感じの正体かと、凄く納得しました。

上映後、舞台挨拶に登場したアディバ先生は、
劇中、マツコ・デラックスのような存在感。
拍手を促すしぐさがツボでした!
舞台挨拶後は映画館の外で、
客への対応を続けていたのが印象的でした。

しかし、映画✖️音楽の力は素晴らしい。
ギターソロと二胡のセッションはもちろんですが、
歌えなくなる彼女と、喋り過ぎた?彼の
シーンは映画好きなら思わず唸る
傑出したシーンだと思いました。
映画と音楽に乾杯であります。
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