たけうつ

血と骨のたけうつのレビュー・感想・評価

血と骨(2004年製作の映画)
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俺たちの大嫌いな昭和

平成がなかったことにしたかった”昭和”がこの映画の主題になっている。
理性と調和を尊重し、暴力と無秩序を消し去るのは時代の総意だった。
ビートたけし演じる金は暴力と無秩序の権化で、新井浩文演じる息子の、
親への冷たい視線は平成を経た我々の”昭和”に対する冷ややかな視線に重なる。
暴力への結論や糾弾は映画中にはない。観客は息子の視線を通して”昭和”への冷ややかに蔑視する。

子供のころ怒鳴り散らされたり、殴られたりしたのを思い出す。
みんな暴力が嫌いになった時代、全時代のアーカイブ的な映画だろう。
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