Y胃

血と骨のY胃のネタバレレビュー・内容・結末

血と骨(2004年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

タイトルで観たいなが強く決めた。
このシンプルで強い「血と骨」って文字がどうも頭から離れられず
「でも・・・みたってあれだ。邦画特有のぼそぼそ喋って何言っているかわからないし、アミューズメント?っつーのがない、どうせ退屈だろう」と何年も何年も私は逃げて逃げてやっと決意し観た。

主人公は…特にいないようで一応ビートたけしの演じる父「金俊平」ただ、化け物のようや男を描いた映画でした。
この俊平が、自分勝手で暴力、暴力、暴力で人を支配します。すごすぎて極道からも畏れられた男。女性関係も恐ろしく盛んで、妻も無理やり結婚した挙句、たまに帰ってくればいきなりことを始めるような野蛮。(映画冒頭でいきなり妻を襲って息子が出来てしまいます。)妻以外にも何人の女性と関係を持ち、その女性が身ごもったりしてもおかまいなく抱いてまた子ができたり…
(高齢になっても子供作りまくる永久エロテロリストです)

なぜか腐った肉(蛆が湧いているようなやばい肉)を好んで食べたり…腹が立つと妻、娘息子たちに暴力で憂さ晴らしをします。とんでもないやつです。

最後はこの父親も老人になりひっそりと亡くなって終わるんですが…
観る前に思っていたのは少しあたりで、大きな派手さはない
が、この世界に飛んだら退屈ではなく怯える毎日だろうと思う。辛いことが多すぎる…

最終的に何か解決するわけでもない。調べたらこの作者の実父がモデルらしい。恐ろしい…でもこの狂気を描きたかった気持ちわからんでもない。伝えなきゃ逆に狂ってしまうだろうと思う(この当事者たちは)

相変わらず北野さんの演技は見事であり、他の役者陣も見事この狂気をリアルに演じていて感動した。
新井さん…本当に残念です。
あそこまで自然に映画に溶け込めるけど、なんか印象に残る人ってそうはいないのに…
途中出てくるオダギリジョーさんも色気がありました。
物語終始出てくる松重さんの役がこの映画の唯一の癒しでした。出てくるとホッとします。

この映画の宣伝予告で血は母に受け継ぎ、骨は父から受け継いだという言葉がありましたが…ナルホド…良いです。
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