yksijoki

マイ・ブルーベリー・ナイツのyksijokiのレビュー・感想・評価

3.5
「道をわたるのはそう難しくない。道路の反対側で待つ人次第なのだから」このセリフがすごく心に残る。あと口にクリームをつけたノラジョーンズ。凄くキュートだった。

監督ウディアレンだと思ってみてた。ウォンカーウェイだった。

序盤の数十分のジュード・ロウとノラジョーンズの二人のシーンはすごく好きな感じ。カウンターを挟んだ二人のやりとりとか、鍵の話とか。ブルーベリーパイの話とか。第一章の幕切れもすごく良かった。

それだけに、その後の2つのエピソードは普通であまり面白味を感じなかった‥。主人公がなにかアクションをするということもなかったし、単純に二つの出来事にエリザベスは寄り添ったというだけな気がしてならなかった。車が手に入ってNYに戻るというアクションに至る心の変化もイマイチ伝わってこなかった。何かを学んだとかきっかけになったとかも感じ取れなかった。二人の女性の生き方を見ての成長とかそういうことなのだろうか…

特に2つ目のエピソードがベスをどう成長させたのか。他人は鏡的なのはわかるけれど、人を信じすぎるなということを学んだのかな…。運を掴め的なことなのかな。この辺が微妙に腑に落ちないままだった。

ジュード・ロウは結局探し続けたけど待つだけの人になってるのもうん可哀想という…。元カノも唐突に現れるけど唐突すぎてこちらとしては?となってしまった。

あとは風景のシーン。いるのかなあれ…。たびたび動きがスローめになるところもイマイチ入り込めなかった。手前以外をぼかすカメラワークもそこまで好きにはなれなかった。都度入ってくる電車のカットもお洒落なのかなぁ…。わからなかった。ブルーベリーパイのカットは逆に良かった。

ノラジョーンズはセリフ少なめだけど全体可愛かったからよし。パイを食べるとこと寝ちゃうシーンがとっても可愛かった。
ラブストーリーというかは短編集みたいな感覚に近いのかな。ジュード・ロウはほっておかれすぎててちょっと可哀想だった。

冒頭とラストカットが良かっただけに真ん中で何を伝えたかったのかが自分の足りない頭では理解しきらなかった。二人の関係性はナイスだったし、不幸な終わり方はしない。

コーヒーでホッと一息しながら観るにはいい映画だと思う。
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