ぐりんでる

マイ・ブルーベリー・ナイツのぐりんでるのレビュー・感想・評価

3.7

夜中に見るのにはちょうどいい感じでした。雰囲気of雰囲気のおしゃれ映画、見終わった後なんでか自分に酔いました。そんくらいおしゃれな感じ🍇
深夜にちょっとオレンジっぽいライトの暗がりで見るといいです。寝落ちする可能性がとても高いですし、目も悪くなってしまいそうです。三度に渡る挑戦を経てやっと見ることができました僕は

ポスターのような恋愛要素はあんまりなく、どちらかというと失恋した主人公が旅に出て旅先で出会う何人かの人生の重大な転換期にそっと寄り添ってる感じのドラマがメインでした。
一応、傷心中の主人公を慰めてくれるカフェ男のダンブルドアとの恋はあります。
旅先でのエピソードは、

アルコール依存症の旦那と、遊び人の妻



父親と確執がある生粋のギャンブラー

それぞれ出会う人々は、大事な人に対して何やら屈折した思いを持っていて、その大切さに気づいた時はもう遅いというようなエピソード。主人公はそんな人々の姿を見て感じたことを、手紙に綴って、ダンブルドアに送る。ダンブルドアはそんな手紙を読みながら次第に主人公に惹かれて、最後は、あらぁ…♡

まぁ、思わず、あらぁ♡と言いましたが、別にそんな大したことは起きないしグッとくるような恋愛劇もなかったです。本当は、あーはいはい。と思いました。
間に挟み込まれたエピソードは面白かったけど、映画全体に一貫した物語があるわけではなかったように見えたので、短編集を見ているような感覚でした。

全ての場面が、おしゃれな映像と雰囲気も手伝って、なんか名言風な、心に残る言葉風な雰囲気は出ていて味わい深い映画を見た感覚には陥りました。なので自分に酔った感覚になったのかもしれません!

わかりませんが、深いメッセージ性や難しい描写もなかったと思うので、気楽におしゃれな雰囲気に浸ることができます。インスタントにああいう感じになれます🍇

ちなみにタイトルのブルーベリーとは劇中で登場する、全く売れないブルーベリーパイのことで、
ダンブルドア曰く「ブルーベリーパイは悪くない、ただ選ばれないだけ」
フラれた主人公は、それに自分を重ね合わせ、腐る程食います。
この悪くも良くもないと問題点から目をそらして、選ぶ側がどうというスタンスには共感できませんでした。が、傷ついた女子を思っての気遣いだった。パイにかけるあらゆるコストがもったいねぇ…という目線を向けるのは、ナンセンスでしたね。このパイといい鍵といいダンブルドアの情緒的な発想には恐れ入りました。

それでも主人公は選ばれる側という立場に比喩とはいえ、疑問はもたなかったんでしょうか、もっと自信をもってほしいです。君は選ぶ側になれるよ🍇