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洲崎パラダイス 赤信号のeknのネタバレレビュー・内容・結末

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。
1人で生きる力は無く、2人で生きる宛もない。沈みかけの泥舟から先に抜け出したのは女だった。前職をクビになった男は鬱々として一向に立ち直る気配もなく、そんな男に嫌気が差して、住み込みで働かせてもらうようになった飲み屋で知り合った客と街を飛び出す。
女に捨てられて亡霊のように街を彷徨う男の姿は見るに堪えない…ほとんどホラーの演出。
次第に立ち直り始めた男の前に、再び女が現れる。
色街とカタギの境界線である「洲崎パラダイス」の看板のすぐ近くに建つ飲み屋を舞台に、様々な男女の関係性が多層的に描かれる。
共依存から共生への変化を描く冒頭とラストのコントラストがたまらん。円環を強調するようなシチュエーションと台詞に気持ちよく騙された。足元だけのショットが最高。
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