家業のガソリンスタンドで働き、地元で父と二人暮らしの兄
写真家として成功し、東京で暮らす弟
絵に描いたような正反対の二人がある事件の容疑者と目撃者になる
容疑者は真面目で不器用で、お人好しの兄
目撃者は東京で好きな仕事をし、自由に生きる弟
収監された兄は、今までの抑圧された人生から解放されたかのような別の顔を見せ始める
いわゆる良い子として育った兄と、
父と反りが合わず家を出て自由に生きる弟の対照的な心理描写を観ていると苦しくなる
洗濯物を丁寧に畳む兄の後ろ姿
その背中が語る不器用さ、誠実さ、優しさ、諦め、哀しみ
穏やかに微笑む兄の顔が泣いているように見えたのは私だけ?
裁判で証人として出廷した弟
彼の証言は誰のためなのか
そして、兄の裁判の行方は..
ゆれる、吊り橋
ゆれる、兄弟の心
私の心はゆれない
ただ、静観するだけ
兄演じる香川照之さんの眼差しひとつで伝わる兄の生きざま
ずっと心に残ってるラストの兄の顔
今も忘れられない