ヤマト

ゆれるのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 嘘か真実か、ゆれる兄弟愛 】
 フワッと軽やかな男性演じるオダギリジョーさんが好きだ。
 ネットリと重々しい男性演じる香川照之さんが好きだ。
 そんな正反対の兄弟が、ゆらゆら揺れ動く吊り橋の事件で“ゆれる”。
 ゆらめく木々に流れゆく川のせせらぎ。あの描写だけで何という緊張感。真木よう子さんが落ちるシーンを映さずに味わうあの緊迫感は筆舌に尽くし難い。

 兄貴の致命的な瞬間を目撃してしまった、猛。外側は擁護だが、内面すなわち心では完全に疑わざるを得ない状況、心境。
 だけれども記憶を辿る。兄貴の行動と性格を紐解く。決して人を殺めるような人ではない。
 最後、「にぃちゃーん」と、出所したての兄ちゃんに叫んだ。あれは疑ってしまった懺悔と、優しくて大好きな兄への呼びかけであり、兄弟愛が漲っていた。
 見かけ、行動だけでは絶対に伝わらないことがある。でも、記憶と直感とで、その人にしか受け取れないメッセージがあるのもまた事実。
ヤマト

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