歌代

ゆれるの歌代のレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
5.0
写真家として実家を出て東京で暮らす弟の猛と、家業を継いで故郷で細々と暮らす兄の稔。
対照的だがどこか信頼しあってる兄弟。
しかし、幼馴染の死をきっかけに稔の今までと違った一面が見えはじめる。
そして殺人容疑をかけられる稔。裁判が始まる。
事件だったのか、事故だったのか。



俺が映画に求めてたのってこれ!!ってなった。
ひとつひとつのカットに込められた心情に惹き込まれてすこしも目を離せない。いつの間にか2時間終わってた。

役者の演技が素晴らしい。特に香川照之とオダギリジョーが凄くて、兄弟の日常会話の力を抜いた感じも、追い詰められた人間の視線や言葉に詰まる感じもすごい実在感だった。
面会で稔が今まで隠してきた感情をぶつけるシーンはその嫉妬や羨望に見てて辛くなった。

顔が見えてないカットの心情表現に印象が強いものが多かった。
稔が洗濯物をたたむ姿や、智恵子の母親が「娘は殺されるような子だったのかなあ」ってセリフの後振り返った後ろ姿などなど。

すでにもう一度見たい。
答えよりも途中式が美しい映画だと思う。
素晴らしかった。
歌代

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