赤足

ゆれるの赤足のレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.8
母の一周忌で東京から帰省した猛(オダギリジョー)彼には実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会、3人で近くの渓谷に行くことにする。猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する。

何処にでもありそうな日本の家族関係や兄弟の設定故にリアルで身近に感じ取れた作品であった。

親子、親友、恋人ではなく。兄弟という間柄、血は繋がっているが理解しているようで、実は理解してなく近くて遠いまるで、他人のような存在の2人の関係はまさに"ゆれる"というタイトルに相応しい設定や関係であり

身近で何処にでもありそうな世界故に妙にリアルで田舎特有の閉塞感や重くどろどろとした人間関係や感情やエゴなど様々な感情が混ざり合ってしまったかのようであり、かなり重いテーマであったが

主演のキャスト含め脇を固める役者達の力と演出は最後まで見応えありで、香川照之の演技とオダギリジョー2人の兄弟の間で揺れ動く感情を見事に描いており、切なすぎるラストに救いと許しはあったのだろうか?

この"ゆれる"というタイトル。見終わった後にジワジワくる余韻をあらわすに本当にその通りであり、実に上手いと関心してしまった。
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