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ゆれるのsatのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
4.5
何度も見た。小説版も素晴らしい。

尊敬が羨ましさに変わり、羨ましさが嫉妬に変わり、愛情なのか憎悪なのか分からない感情が生まれてくる。すべての主要な人物がそんな感情で互いに結ばれている、キリストとユダのように。

人は同時に逆の感情を抱くことがあるし、時が変わったら感情も変わる。記憶まで変えてしまう。すべきこととしていることがチグハグになってしまう人間の多面性を何度も描いている。

宴席で人の世話をする兄のズボンに、倒れた徳利から酒の雫が落ち続けるシーンなど、西川監督の繊細さがとても好きだ。
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