野良鹿

ゆれるの野良鹿のネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

20200524
「誰の目にも明らかだ。最後まで僕が奪い、兄が奪われた。
けれどすべてが頼りなく、儚く流れる中でただひとつ、危うくも確かに架かっていたか細い架け橋の板を踏み外してしまったのは、僕だったんだ。今僕の目には明らかな風景だ。
腐った板が蘇り、朽ちた欄干が持ち堪えることはあるだろうか。あの橋は、まだ架かっているだろうか。」

私の中でいろいろな感情がゆれている。私も橋を腐らせたり、腐らせて踏み抜いてきた過去がある。ギリギリなところで保っていた大切な人との関係を、突発的な衝動で台無しにしてしまったり、タイミングの僅かなズレですれ違ってしまってずっと後悔している。
大切な人との関係を維持するのに努力しないといけない。失ってからその大切さに気がついても遅いのだ。しかし人は失ってしか気づけないこともある。自分の過ちを謝れるなら、負い目や後悔を抱えているなら、早く謝った方がいいけど、それもまた難しい。
野良鹿

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