黒人街で働くシスター・ヘレンのもとに死刑囚 マシュー・ポンスレットから手紙が来て、彼に会いに行く。マシューの罪状は10代カップルの殺害及び強姦。マシューは無罪を主張するが認められず、死刑は執行されることに。ヘレンマシューのカウンセラー的立場となり、死刑執行まで彼に寄り添うことになる。
俳優 ティム・ロビンスが監督・脚本を務めた作品で、主演は当時のティム・ロビンスのパートナーであったスーザン・サランドン。
死刑というものを精神的な部分でかなり濃く描いた作品で、観ていて気持ちの良いものなんかではないし、心に重くのしかかってくるような感覚でした。
本作は主に死刑廃止論側で描かれています。でも、残虐極まりない犯行シーン要所要所で挟まれるため、マシューに対する気持ちがちょっと芽生えそうになったと思ったら、すぐに嫌悪感に飲み込まれます。シスターと交流して変わっていった としても、やはりあれだけのことをやっているのであれば、彼を支えようというシスターの立場には共感はできかねます。
しかし、死刑廃止に対して賛成でも反対でも、心に響くものはあると思います。今作は死刑の話でもありますが、愛の話にもなると思います。主人公が尼さんなため、宗教色も多少はあります。でもこの宗教での愛や赦し というものが非常に大切になってきます。
今作でオスカーを獲得したスーザン・サランドンとショーン・ペン、2人の演技が凄まじく、心に訴えかけてくるようでした。特に2人とも表情が素晴らしく、ガラスに片方の顔が映って、2人の顔が見える という演出はめちゃくちゃ良かったです。
死刑制度というものの存在。そして愛と赦し。めちゃくちゃ重い作品だったし、正直100%納得できるものではないですが、観てよかったと思える作品でした。