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ツレがうつになりまして。のdeenityのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
3.5
鑑賞前、勝手なイメージで宮崎あおいがウツになるのかと思ってた。全く逆だった。堺雅人の方か。真面目でこだわりが強く、繊細で責任感が強い。鬱になると言われる典型みたいなタイプだ。まあこういう一癖ある感じの役を演じるのに堺雅人は最適だわな。ちょっと誇張されすぎちゃうのがたまにキズだが、今作のターゲットとしてはそれでいいんだと思う。

今作がターゲットにしたのは鬱病を患って本当に大変なんです、と共感を生むような作品ではない。それをやるならもっとシリアスで繊細な演出が必要となる。そうだとしたらたぶん堺雅人は選ばれない。
今作のターゲットは鬱病患者の周りの人間。支える側だ。それこそさっき言ったように鬱の症状がどれだけ辛いかというのを繊細に描いて理解してもらいたい、という意図で作品を作ったとしてもその辛さを10割読み取ることは難しい。しかし、それを支える側としてどうやって関わっていくべきか、をテーマにしたなら重くなり過ぎず、且つ、理解しやすい作品になる。
だからこの作品は少しポップで誇張されてるような感じが不謹慎に思えるかもしれないけど、それでいいのだと思う。というかそれが良かったと思う。

それにしても支える側の宮崎あおいが可愛すぎる。最近は年の影響で劣化してるとか耳にするけど、少し年齢を重ねたからこそ若かった頃にはなかった味が出てきたと思う。ま、透明感は確かに失われてきたと言われればそうなのだけども。

とにかく本作を見て鬱に対する理解が高まるといいと思う。気持ちもわからないのに無神経に「頑張れ」って言うようなことがどれだけ相手に負荷をかけるかわからない。それこそ貝みたいにさせてしまうかもしれない。「頑張らなくてもいい。」と声をかけてあげられるような自分でいよう。
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