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ツレがうつになりまして。のすごいものレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
4.7

頑張らないってむずかしいね



宮崎あおいのツレ役、堺雅人が鬱になりまして。快復に臨みます。

鬱になると、気分がおちてしまうだけではなく、不眠や食欲不振、肩こりや腰痛など体にも異常が出ます。

しかし、周りからみれば、それらの異常を感じることは難しいそうで、何度も「思ったより元気じゃん」と声を掛けられるシーンがありました。

鬱病になった堺さんは電車と電話が怖くなってしまいます。ぼくはどちらも人のはやさに合わせないといけない機械だと思っています。同じ速度で目的地を目指して、人のペース(都合)に合わせて連絡がくる。電話なんか、こっちにお構いなしで1音目からマックスの音量で呼び出してくる。

堺さんが、雪が降った時に「雪で電車が止まって、停電になって、みんな止まってしまえ」と独り言を言うシーンがありました。頑張られない自分だけ、置いてかれそうになった時に、「人間全員、止まってしまえば気にしなくて済むのにな」と思ってしまうことがあります。

人間なんだから歩く速度も、仕事をするテンポだって違う。どうしても満員電車で息苦しくなったら無人駅で降りてもいいんじゃないか。

人によって進むはやさはちがう。だからといってゆっくり歩こうとすると周りに人がいなくなってしまう。この映画では宮崎あおいと堺雅人がなんとなくペースを合わせていく。彼らのペットのイグアナとカメも歩みは遅い。季節を感じるぐらいゆっくり歩いてやればいいじゃないか。
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