よしまる

プライドと偏見のよしまるのレビュー・感想・評価

プライドと偏見(2005年製作の映画)
3.6
 過去何度も映画化されている文芸作品のひとつ、「高慢と偏見」もとい「プライドと偏見」。
 「プライド」に比べて「プレジュディス」という言葉の知名度が致命的に低くて不憫なので、いっそ「プライドアンドプレジュディス」というタイトルで大ヒットさせればその言葉も当たり前になったかもしれないのにチャンスをみすみす逃したと言ってよいだろう。て、なんの断言ww

 余談はさておき、キーラのfan!としては田舎の貧乏娘が最初は偏見に満ちていながらも次第に気品を身につけていくさまは見応えあって嬉しい。一方のダーシーはプライドの塊というほどの高慢ちきでもないやん?と思ったけれど、自分の身分などなりふり構わず不器用な告白に至るのは悪くない。
 物語のプロットとしてはお互いの立場や事情を乗り越えて恋を成就するひとつのパターンではあるけれども、2人の行方を左右する人物を巧みに配置して話を盛り上げるこんなラブストーリーが200年以上前に書かれていていまなお普遍的に楽しめるというのはやっぱりすごい。
 まあ基本的に美男美女だからそりゃ惹かれ合うだろうし、プライドと偏見なんて、絶対的な壁ではなく所詮は個人の内面の問題でしかないのだから軽くクリアしちゃうよね。と言ってしまうと身も蓋もないから言わないけどね(言うてもうたw)

 コリンズさんやベネット夫人、キャサリン夫人(ジュディデンチ笑える)といった面白おかしい胸糞キャラもはるか昔からおったんやなぁ、ということを知れたのも映画のおかげで、昔の文芸も読んでみたくなった。

 そして貫禄のドナルドサザーランド。終盤、すっかり美しくなったキーラとのドラマティックなやりとりには目頭が熱くなる。やはり名優だ。