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風が強く吹いているのmatchypotterのレビュー・感想・評価

風が強く吹いている(2009年製作の映画)
3.4
これ、10年前の映画ですか、、、そうですか、10年前か。時が経つのは早い。

先日、我が家の地元付近で毎年恒例の箱根駅伝の予選会が。で、原作小説はなかなか面白かったこれをまだ観てないことを思い出して観てみることにする。
予選会は毎回観に行ってるわけでもなく、楽しみにしてるわけでもないが、何だかんだでこれが近づくと街がそれ仕様になり、何か少し引き締まる気がする。
毎年正月の2日がかりの箱根往復の本戦もTVにかじりついて観てるわけでもないが、毎回何かしらの熱いドラマがあり、これに賭ける学生たちの熱い想いがあるのは知ってる。
鶴見と戸塚は箱根駅伝の中継地点で地名を覚えたようなもんだ。たまに箱根に車で旅行に行くけど、あの坂道を通る度に“山の神”の存在に慄く。あれ登るとか下るとか常人の成すことではない。

少し前に読んだので忘れかけてはいるが、原作とは細かいとこも細かくないとこもまぁ結構色々映画用にされた印象はある。
特にあの最後のラストは今のスポーツ界の指導する側と選手の生命と選手のメンタルや思想においてはなかなか意見は出るのかな、と。
とはいえ、あれがどうかはよりは、この箱根路を素人同然の集団が目指すことに意義がある。

箱根駅伝の出場選手は10人で箱根路は十人十色のコースの特色があり、この映画でも十人十色のキャラクターがいる。それを2時間少々で説明し、イチから練習し、予選会を突破し、本戦のドラマも描く。これはなかなか簡単にできることではないし、できるとは思えない。
なので、映画用に色々改造はされてる気がするし、ちょっと物足りない箇所もあるにはあるんだけど、だからと言って成り立ってないわけでもなく、しっかりと要所を抑え、選りすぐりのエピソードはしっかり描き、笑いも感動もある。

何かそういう意味では本当に“駅伝”みたいな映画。結果や出来たものをとやかく言うより、その過程と信念と、チャレンジする気持ち良い奴らのやたらと素直で真面目な勇姿を、あれこれ考えずに観れば良し。

キャプテンの優しく厳しいリーダーシップがとにかく素晴らしくて見習いたいぐらい。そして、それに付いてくる仲間とのチームワークが強くなる過程とそれぞれの思いはどこかしらで共感と感動を誘われる。ホント気持ち良い作品。

東京体育大学のアイツだけがウザいけど。
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