終

転々の終のネタバレレビュー・内容・結末

転々(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時効警察にはイマイチハマらなかったがこれはよかった。
親に捨てられた青年と、子供を亡くした中年男性の、井の頭公園から霞ヶ関までの散歩ロードムービー。
「表通りから一本入るとずいぶん静かだよな。東京の街は風景が変化に富んでるから散歩向きなんだよ」
ひたすら歩き、互いの思い出の場所に寄ったり、歩きながら思い出した思い出話をしたり。途中でレトロな喫茶店に寄ったり旅館や古民家に泊まったりする。東京散歩好きなら見るべし。

「今、東京の思い出の場所の半分はコインパーキングになってるからな」
「寂しくなりたかったから。絶妙に寂しいんだよ。日曜日の最終バス」
「こういう町の時計屋ってさ、どうやって暮らしてんだよ。心配になんない? こういう町の時計屋で時計買う人間が月に何人いるんだよ」
確かに。

結婚式での偽夫婦役をやった独身の女とその姉の娘も加わり、最後は万引き家族的な擬似家族の温かさと切なさにグッとくる。
終