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河口のnagashingのレビュー・感想・評価

河口(1961年製作の映画)
4.0
いやおうなしに愛人街道を突き進むうちに磨耗していく岡田茉莉子、という例によってどこかで見たことがあるような展開だが、ここに事務仕事と絵画にしか関心がない不感症気味な性格の山村聰をビジネスパートナーとしてからませることで、テキトーに画廊を営むわがままお嬢さまとグチグチ従者の喜劇めいた様相を呈してくる謎の映画。情事をかさねるオカマリにいちいち山村が笑えるお小言をならべるため、彼女の悲恋がことごとく相対化されていく感がある。終盤のカットバックはその総決算。失恋した悲しみをひたすら吐露するオカマリと、「よっしゃー!これで仕事に本腰入るし絵を買いまくれるぜー!」とばかりに気色ばむ山村の嬉々とした表情の対比がマジで最高。オカマリのあでやかな衣装の七変化、微細な表情の変化と立ち居振る舞いの表現力ももちろんすばらしい。田村高廣に目をつけたときの流し目とかほんとうにたまらん。