フランコ

河口のフランコのレビュー・感想・評価

河口(1961年製作の映画)
4.0
画商のマダム・岡田茉莉子が美女すぎて降参。日本映画史上ナンバーワン首すじに違いない。あらすじ読んでコメディかぁと思って挑んだら小津の名カメラマン、厚田雄春の神聖なライトワークによる画面で始まり、いきなり葬儀シーンだったりナレーションもやたら神妙で身構えたが、珍しくダンディでない山村聰や東野英治郎を筆頭に大いに笑える。ちょい役の沢村貞子が一瞬オカマリに送る侮蔑の眼差しも秀逸。とりあえず性欲むき出しで「ホテル行こう」と連呼する東野英治郎と杉浦直樹が情けないが、これは不可抗力。本作と同じく1961年公開の同監督『斑女』も岡田茉莉子と山村聰だが、ムードはだいぶ違う。音楽も前作は武満徹、本作は黛敏郎という贅沢。

2018/5/24 シネマヴェーラ
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