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甘い生活のsonozyのレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
4.5
1960年、フェデリコ・フェリーニ監督。
カンヌ国際映画祭パルムドール、アカデミー衣装デザイン賞他

作家志望だがゴシップ記者をやっているマルチェロ・マストロヤンニを主役に、1950年代後半のローマの豪奢で退廃的な上流階級の生態を描いた作品。

冒頭のヘリでキリスト像を運ぶシーン。
大富豪の女優マッダレーナ(アヌーク・エーメ)との一夜。
ハリウッドから来たグラマー女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とのトレヴィの泉での戯れ・・
そんな自由で退廃的な日々を送るマルチェロの恋人エンマは自殺を図ったり大喧嘩を繰り返したり。

ローマ郊外に聖女が現れたということで群がるマスコミと共にマルチェロもエンマを連れて向かう。
包囲するテレビカメラ、奇蹟にあやかろうする病人、野次馬・・混乱の中、豪雨となる。

知的な友人スタイナー家を訪れ、そこに集まる作家、詩人..と出会い自分を変えねばと心するマルチェロ。
再び作家を目指そうとビーチ近くのカフェで執筆を始め、そこで働く天使のような少女パオラに出会う。

久々に父がローマに訪れ、ナイトクラブへ。気に入った踊り子と仲良くなり彼女の家へ向かう"現役な"父。
再び、堕落した貴族一族の古城での怪しいパーティに向かったマルチェロはマッダレーナや、一族の熟女と・・
相変わらずのマルチェロに怒るエンマと激しく言い合いバトル。

翌日スタイナーが子供二人と心中したという情報に打ちひしがれるマルチェロ・・

再び海に近い知人の別荘で乱痴気騒ぎの狂宴でマルチェロも言いたい邦題。やりたい放題。
翌朝、疲れ果てた体で海辺に出ると、打ち上げられた怪魚を漁師たちが取り囲んでいた。

遠くの浜辺であの天使のような少女パオラがマルチェロに何か叫んでいるがその声は聞こえない・・

色々なエピソードを含む約3時間という長尺の作品ですが、モノクロだからこその妖艶な美しさのアヌーク・エーメ、アニタ・エクバーグといった美女たち。欲と虚無に満ちたローマの"甘い生活"から抜け出せない男マルチェロ。フェリーニの世界、堪能しました。
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