コタンの口笛に投稿された感想・評価 - 3ページ目

啓蒙映画であるはずなのに稀に立ち現れる演出の斬れ味に貫かれた。三好栄子のイカンテ婆が孫フエのために田沢校長に縁談を申し込んだ時、表層上の繕いが崩壊する志村喬の社会動物として突き付けられる無意識の抑圧…

‪『コタンの口笛』(1959)鑑賞。橋本忍映画祭@シネ・ヌーヴォ。アイヌ民族の苦悩を描く。成瀬にとって『鰯雲』に続き橋本脚本でカラーシネスコ。ロケ嫌いはやはり嘘で北の大地を舞台に熟練の演出が冴える。…

これまで観た成瀬監督作と一風変わった作品かと思って観てたら、そうではなく普段よりも輪をかけて非情な物語であった。
あまりに残酷で酷すぎるやろと苦情を言ったら、天国で「いや、俺じゃない。やったのはアイ…

ラストはある意味感動的。
ただ、民族的なる自己はやめようと思ってもやめることはできない。だからこそ、そこに連なる差異が問題なのであって、人間一般の問題に還元することができるとは到底思えない。
その意…

成瀬巳喜男っぽくない。色んなものが混ざり合ってこの作品になったような感じ。

知り合いにもアイヌの人いるが、もはや現代ではだからなんだというような時代。だからこそこのような作品を見ると時代の変化や人…

誰かのチーム(田中友幸 橋本忍 伊福部昭)みたいなスタッフとの組合せが教育で使用されずにこれまで埋もれてきたから佐藤のようなモンスターを生み出し続け現在では匿名テロと形を変えて存在する。この時期の橋…

北海道の雄大な自然を活かしたショット（家の前の川が良い味だしてるし、校庭のだだっ広さにはびっくりする）や、水野久美の祖母が狂うシーンの緊迫感には目を見張る。
が、あまりにも｢都合の良い｣悲劇には辟易…

コタンに暮らすアイヌ民族の苦悩を映す物語。

和人から受ける差別の描写はキツイけれど絶望的という程ではない。喉元をグサリと一発で仕留められるより、生爪を一枚ずつ剥がされジワリとやられる方が苦痛は大き…