シネラー

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
シリーズの第3作を再鑑賞。
本作以降は劇場に足を運んでいるが、
シリーズで初めて劇場鑑賞した事も
あってか思い出深く、
個人的にシリーズで
一番好きかもしれない作品だ。

監獄アズカバンから
囚人シリウス・ブラックが脱獄し、
ハリーとシリウスの関係や
ハリーの両親の死の真相が明かされる
物語となっているが、
ファンタジーでありながらも
時を遡る逆転時計の登場によって
SF的にも感じられる内容であり、
個人的にその点が本作の好きな部分だった。
中盤での不可解な部分が
終盤で回収されていくのは面白味があり、
ミステリー展開からのどんでん返しな
事件の真相も意外性があって良かった。
物語自体も前作から更にダークな
ファンタジー要素が強くなるが、
アズカバンのディメンターに対処する為に
守護霊の魔法を学んだ末に活躍していく
ハリーの成長も印象的だった。
そして、ハリーとシリウスの会話場面は、
後の展開を知っているだけに
悲しくなる会話しかないと感じる場面だった。
エンディングも劇中で登場する
"忍びの地図"風に流れていくのが、
お洒落に感じられる部分だった。
前作までのクリス・コロンバス監督から
アルフォンソ・キュアロン監督に
変わった影響かもしれないが、
全体的なシリアスな雰囲気が
後のシリーズへと繋げていくのに、
良い塩梅だとも思った。

しかしながら、
逆転時計をハーマイオニーが持っていた
理由に関しては、
浅はかで贔屓過ぎると思うところではあった。
又、忍びの地図の作者に関する部分が
語られずに終わっている為、
原作から削除して欲しくなかった
部分の一つではあった。
(次回作以降で普通にワームテールや
パッドフットの名称が出るだけに)

新たな登場人物達の登場や
事件の真実が明らかになる中で、
着実に見た目だけでなく力もつけていく
ハリーの成長が感じられる好きな映画だ。
杖を自作して
エクスペクト・パトローナムと真似した
のは良い思い出だ。
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