池袋のキングwithYUKI

トガニ 幼き瞳の告発の池袋のキングwithYUKIのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
5.0
再アップです。
最初に一言、少しネタバレの要素がありますが、どうしてもこの映画を多くの人に観てもらいたくて、このレビューを残します。
この作品のテーマはズバリ、子供に対する性的虐待!!暴行!!(最大級の怒り!!)
そしてこの世界がいかに愚かで汚いものか、この世界に正義は、救いはあるのか!?
それが実際に起こった事件を元に非常にリアルに正々堂々と描かれています。
映画を観て、こんなに悔しい涙を流したのは初めてです。心が痛いです。
主人公の青年は恩師の紹介で、ある田舎の「慈愛学園」という視聴覚傷害をもった子供達が学ぶ学校に美術の教師として赴任します。
その学校には双子の校長と行政室長がいました。それと始めて話したパク先生。主人公は赴任早々妙な事に気付きます。子供たちの大人を不振そうに見る瞳。パク先生に訪ねると、そいつはこう言い放ちます。
「ここの生徒は耳が聞こえない。心を閉ざしている。私は10年になりますが、未だに心を開いてくれない。」
さらにある夜、夜の校舎の女子トイレから、女の子のうめき声のような音に気付きます。すると守衛のおじさんが
「ここの子供たちは夜になると騒ぐんだよ。耳が聞こえないから、余計に声がうるさくてね···」
明らかにこの学校では何かが起きている。しかし主人公は恩師の推薦でやっとの思いでついた教師の職。複雑な思いが。
これをきっかけに校長、行政室長、パク先生、この3人の人間の仕業とは思えないような卑劣な犯罪行為が暴かれていくことになります。
はっきり言います。少年少女に対する性的虐待、暴行です。
それを被害者の子供達が告発し、裁判で闘う事になります。
観れば分かります。いかにこの世がデタラメで、汚くて、矛盾だらけで。弱肉強食。正直者はバカをみる。社会は腐りきっている。子供らの笑顔が清廉過ぎてよりそう感じました。この世の希望を子供たちの笑顔の中に視ました。
法治国家の存在意義とは?法とは誰の為にあるのか?
俺はこの作品を観てより確信しましたね。
法律とは、平等ではない。強い者を守る為にある。弁護士とは被告の正当性を主張しているのではなく、いかに被告が悪人でも自分の利益の為にあらゆる手段を使って被告の刑を軽くする事だけを考えている生き物。はっきりいって事実なんてどうでもいい。検察や裁判所も所詮は国の管轄。権力には勝てない。(ごく希に正義を貫いている弁護士もいる。かなり希に、絶滅危惧種)
これを観てはっきり思ったのは、神様はいない。人間不平等。この世から悪はなくならない。この世の正義は権力に勝てないという事。
どこの国でも同じですね┐('~`;)┌はぁ、いつからこんなんなっちゃたんだろ?
動物の中で唯一、知性を手に入れた人類がこんな·····虚しいです。人間以外の動物は美しい、子孫を残す為だけに一生懸命生きているから。欲がない。
言いたい事がありすぎます。とにかくこの素晴らしい作品を観てください。そして考えてください。一人でも多くの人がこの作品を見つけてくれる事を願っています。
この映画を作った監督、スタッフ一同に尊敬と感謝致します。そして被害に遭われた子供達がどうか、生まれてきて良かったと思える日がいつかくる事を切に願っております。
最後にこの作品に出てくる、唯一救われるような素敵な言葉を。
「世界で一番美しくて大切なものは、聞くことも見ることも出来ません。心でしか感じられないものなのです。」
ヘレン・ケラーの残した言葉です。

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