ひば

トガニ 幼き瞳の告発のひばのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.5
なにより私が許せないのはここまでわかりやすく善と悪を分け弱者と弱者を明示しないと問題提起できないということなんですよ、職も住居も奪われ生活に困窮し自分は弱者であることを強調し、敵は金をばらまき女遊び、告発場は責任逃れの為にたらい回し、人前で紛糾し幼子を証言台に立たせて失禁させ、虐待の様子を隠すことなく映して、心も体も惨殺する。やるならここまでやらないと社会に意義を申せないというところに腹が立つんですよ。その過剰な演出で現社会の冷遇にがっかりしなきゃいけない。この映画のレイティングはR-18で、絶対に子供には見せたくないのに現実世界でR-18相当のことが平然と起こり見逃されることに心が裂かれてしまいそうだ。
逮捕されて半分?まだあるの?と思った矢先裁判所パートじゃ耳が聞こえない人の闘いなのに手話ができる人を置かないしなにこれ?ってなるし「神の為につとめてきたのに、人を救うようにと教えられてきた~」と当然と宣い、あげく「幼い子との性行為など同意がないと無理だ、しおらしくないのはおかしい」だって。なんですかこれ、聞いてますかね日本。示談になったら「僕が許してないのに誰が許すのか」と泣く子を映した理由がちゃんとわかってんですかね。裁判所の上に掲げられた『自由 平等 正義』をわざわざ映した意味を。なんで韓国では映画になるんでしょうね、わかってんですかね。

「世界で一番美しいものは聞くことも見ることもできない。心でしか感じられないものなのです」
「私たちの戦いは世界を変えるためではなく、世界が私たちを変えさせないようにすること」
良い言葉でした。

社会的立ち位置を利用し教師が生徒に性欲をちらつかせるという絶望と恐怖を私は知っている。あの胃が逆流するような感覚、信頼の崩壊、記憶の中で自分の落ち度を探し駆け回る。とても『キモい』の一言で片付けられる感情ではない。傷は癒えることはない。
この映画見なきゃ前官礼遇なんて言葉知らなかったし( https://m.kpedia.jp/w/25540 )、この映画で、障がい者の女性への虐待に対する罰則の厳罰化や障がい者や13歳未満への虐待に対する公訴時効の撤廃を定めたトガニ法という法律が出来たことも知らなかったし、こんな話正気じゃやってらんないよと思ってもお酒もタバコも大麻も賭け事も嫌なんで映画見て世の中に触れて調べにいくことにお金使って正気を保ちますわ。
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