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トガニ 幼き瞳の告発のKKのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.2
まず、映画の内容に驚愕し、これが実話だと思うとホントにやりきれない気持ちになる。障害を持ち、家族にも助けを求められない明らかに自分よりも弱いものに目を付け、性的虐待、暴行を繰り返す教師。そして何より、自らのコネを使って全てを揉み消そうとするその精神が本当に気持ち悪い。そしてそれがまかり通ってしまう社会も終わってる.....
まぁ、そういうことをしても心を痛まない人間がそういう犯罪をするんだからどうしようもないよね

どんなに正しいことを言っても、被害者が声をあげても全て黙殺されてしまう。
警察署ですら、裁判所ですらも買収されている。社会的弱者は、権力を持った人間に何をされても黙って耐えるしかない。そんな胸糞悪い裁判だった。
でもこれってこの事件だけじゃなくて、他の事件でも、あるいは日本でも、被害者の意見が通らない、別の誰かの思惑によって、真実が捻じ曲げられることはあると思う。
そんな腐った世界は嫌だな

子役の演技が凄すぎで本当に胸が苦しくなった。手話で想いを伝える姿は胸が詰まる。
裁判が終わったあとの彼らの苦しみと絶望は計り知れない。ミンスのとった行動は、誰も責められないし、自分でもそうしたいほどの憎しみがある。
イノも絶対に罰を受けさせると約束していたのに、出来なかった苦しみもあるだろうけど、あの状況で1教師になにか出来たかと言われれば微妙なとこではある。けど、何とかしてミンスを救えなかったかなぁ.....


唯一救われたのは、この事件が映画化されたことによって世論が動き、法律すらも変えてしまったこと。映画の力の大きさに驚き、この事件が闇に葬られなくて本当に良かった。
やっぱり、権力者に立ち向かうには、社会全体の力がいるんだと改めて感じた。

観てよかった。
KK

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