真鍋新一

偽将軍の真鍋新一のレビュー・感想・評価

偽将軍(1958年製作の映画)
3.3
戦争コメディだと聞いて観たのに、戦闘シーンも含めてけっこうマジだった。理不尽にあっさり人が死ぬ。深刻ぶらない『プライベート・ライアン』といえば良いのか、厭戦コメディといえばそうなのかもしれない。心の病になる兵士もいるし、隊の規律も乱れがちで、そのあたりの描写は下手な戦争アクションよりもよほど生々しい。

物陰に隠れて敵の様子を窺っている兵士が思いがけない銃撃を受け、声を出さずに死ぬ。大声を出したら敵に位置がバレる。仲間に迷惑がかかるから、声もあげられずに死ぬ。きっと自分もその立場なら、ちゃんと空気を読み、歯を食いしばって死ぬんだろうなと思った。悲しいけど。

戦地でたまたま生活していた女性を演じるタイナ・エルグは初めて観た。美しい。『ポセイドン・アドベンチャー』のやさしいおじさんレッド・バトンズがやっぱり頼れるやさしいお兄さんで良かった。
真鍋新一

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