チッコーネ

ザ・ショックのチッコーネのレビュー・感想・評価

ザ・ショック(1976年製作の映画)
3.2
マリオ・バーヴァの遺作で、クライマックスまでの流れがややしつこいものの、手堅く安定感のある職人モダンホラー。
イタリアの庭付き地下倉庫付き、時にはカクテルパーティ会場となる洒落た戸建てが舞台となっているほか、空港や飛行機内でのロケ場面も適度に挿入。

監督は弟子の嫁をヒロインに据えているが、その魅せ方は夫より遥かにストレート。
さまざまな衣装/ヘアスタイルで飾り付けるだけでなく、やや野太いスクリーミングを幾度となく引き出す。
横たわる彼女のクローズアップでは、スローな逆回転が効いたアーティスティックな画まで披露…、本人も演出にてきぱきと応えている。
彼女が恐怖に慄え、表情が歪む時に初めて、アーシアに受け継がれた面影が浮かび上がるのも面白い。