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素敵な歌と舟はゆくのEyesworthのレビュー・感想・評価

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)
4.7
【酒と歌とノンシャラン】

オタール・イオセリアーニ監督の1999年の作品

〈あらすじ〉
パリ郊外の大きな屋敷。中では楽しげなパーティが開かれている。パーティの主役はこの屋敷に住む家族の母親。仕事をバリバリこなすやり手実業家。派手なパーティが大好きで今日も大勢の客を招いて大騒ぎ。一方の父親は大のワイン好きで、ひとり部屋にこもり、愛犬のラブラドールと一緒にお気に入りの鉄道模型を眺めてご満悦。その息子ニコラは毎朝スーツに身を包み家を出たかと思うと、途中でラフな服に着替えてパリ市内へ。そこで、なんと物乞いやバイトをしている! そんなニコラは今日もまた浮浪者とつるんだり、カフェの女の子に恋したり...。

〈所感〉
緩やかで雲の流れを見るように人の動きを見るのがとても楽しい作品。一見行き当たりばったりに見えるカメラワークも、シビアに計算されているように感じる。冒頭に出てきた巨大鳥のオオハゲコウが室内で何食わぬ顔して生活しており、他の人も特に気に留めない感じがいいなぁと思った。イオセリアーニ監督作品は最近何個か見ていて、多くのキャラクターが交錯し繰り広げる、複数の物語を同時進行で描くコメディが得意な印象だが、そのノンシャランとした作風は健在どころか、ここにきてより真骨頂を見せているように感じた。比較的、他の作品より見やすく明快なのでオススメです。
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