ルサチマ

素敵な歌と舟はゆくのルサチマのレビュー・感想・評価

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)
4.5
あまりに可愛すぎる映画だ。
「家に登る」「フラミンゴの首の動き」「ヘリコプター」etcの上下の動きと、「電車の動き」「グラスを回す」円を描く動き。
一番上の棚が破壊されるように、この映画においては上にあるものは破壊されうるものとして描かれる。
広大な家の中で中途半端に横に飛んだり、首をピンと伸ばせずに曲げて生きてるフラミンゴは正に主人公と重なるが、後半上流階級に染まる主人公によってパーティシーンでついに檻から解放されたフラミンゴは最早飛ぶ意思がないように見える。
イオセリアーニ演じる自由人の父(常に円を描く人物)が消えたあと、主人公はグラスを回す行為はしない(教えても相手にさせることができない)。
しかし、空き部屋となっても電車は円を描いて回り続けられている。
父の消えた後の部屋にはもう1人、上下階級の外にいる妹がいた。
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