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自動車泥棒のmingoのレビュー・感想・評価

自動車泥棒(1964年製作の映画)
4.0
黒澤明「用心棒」においてフォース助監督を担当した和田嘉訓の熱意とアバンギャルド性が相まったデビュー作にして野心作になっている。真理アンヌと安岡力也のデビュー作として知られる本作だが、酋長ことホタテマンが台詞の8割が何言ってるかわからない怪演も見どころ。高級外車から部品を盗んでそれで車を作って銀行強盗をしてヨットを買ってアフリカに行くのが夢って、どこか設定が羽仁進を想起させワクワクする。混血児たちの謎のダンスや新学期操行ゼロを想起させる鶏むしりちくしょーも傑作演出。武満徹の音楽も文句なしに良い。かなりの怪作だが映画表現の楽しみがたくさん詰まった傑作。
遺作「脱出」では最後の映画でのあがきを感じとれるが「銭ゲバ」がかなりの駄作なので、表現は素晴らしいものは持ってるのに正しく使われなかった監督に対して悔やまれる。
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