茜

ボディ・ダブルの茜のレビュー・感想・評価

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)
3.5
公開当時に酷評された事や、ファンの間でも賛否両論が激しい作品であるのは知っていたけれど、私は意外と楽しめました。
ただ私自身が本作以外にデ・パルマの作品を観た事がないのもあって、深く掘り下げる知識がないというのも大きいかもしれないけど…。
確かにツッコミどころも沢山あったし、ご都合主義的な部分も気にならなかった訳ではないけど、とにかく監督のやりたい事を詰め込みまくった映画なんだろうなーと考えると、それはそれで面白いなと思ったり。

多くの人が違和感を感じているジェイクとグロリアのカメラぐるぐるラブシーンも、余りにも強引な展開過ぎてもはや笑ってしまった。
公開当時にこのシーンを観た観客たちから笑いが起きて監督がショックを受けたという話を見て、そりゃそうなるだろっていう…(笑)
その辺のエピソードも含めて、何だかんだでこのシーンが凄く印象に残ってしまって好きになってしまった。

その他にもちょいちょいツッコミを入れたくなる所もありつつ、この映画のエロティックで不気味な雰囲気は割と好き。
特殊メイク感バリバリのインディアン男も妙な気持ち悪さがあるし、グロリアの殺害シーンも電動ドリルにゾッとしてしまう。
有名曲「リラックス」が流れるシーンも、まるでPVのような洒落た演出にテンション上がってしまった。
ジェイクの住む未来的な豪邸やグロリアを追いかけていたショッピングモール等も、レトロな雰囲気が今の時代には逆に新しく思えて素敵だった。
ヒッチコックの「めまい」はだいぶ昔に観たのでほぼ内容を忘れているのと「裏窓」は未鑑賞なので、その辺りの知識が頭にあればもっと気付きがあって楽しめたかも。

とにかくやりたいこと全部詰め込みまくって、悪趣味を突っ走りまくったような感じ、これが自分には意外と心地よかったです。
茜