山猫舎

ロード・オブ・ザ・リングの山猫舎のレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)
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トールキンを観た記念に、ディスクの4種のコメンタリーを聞き、
大変興味深かったです。
低予算の素晴らしい作品、お金かけても下らない作品…色々ありますが、
この作品は、莫大な予算を才能ある人たちが的確に使って出来たのだなあ、
とあらためて。

4種とは、監督と脚本、制作陣、美術、キャストそれぞれのコメンタリーです。
特に印象的だったことに触れると…
美術の植物チームは、1年前から入ってホビット庄の植栽を行ったのだそうです。
その風景は、「どこにもない、我々がそうあって欲しいと願う」イングランドの田舎の原風景。

ホビットたちのために、足1800組用意され、みんな毎日足と付け耳を装着したんだね。

ホビットとガンダルフのスケールの違いを自然に見せるために、強制遠近法が多用されていて、
テーブルで向かい合っている場面や馬車で並ぶ場面は、本当は二人の間は距離があります。
スケールは厳格に管理されていて、袋小路屋敷の中は、スケールの違う2種類が用意され、小道具も2種類。

袋小路屋敷は監督が所有していて、いつか埋めて使用するつもりだそう。

ファンの間では有名なのでしょうが、精巧な巨大ミニチュアによって、
壮麗な風景を作り出している。
コメンタリーでは出なかったけど、ビガチュアと呼ばれるんだね(笑)


アルウェンのドレープの美しい衣装は、ウールに光る糸を織り込んでいる。
シンプルなデザインはラファエル前派のような自然な趣を目指している。

指輪は監督の知人の彫金師に依頼した、昔ながらの製法で作られている。
おそらく型どりではなく、削り出しているのでしょうね。
最初、躊躇していたが、子どもたちから引き受けるように頼まれた。

ヴィゴも、急なオファーに迷っていたら、子どもから引き受けるよう言われたらしい。

サムがママに撮影方法を説明しようとしたら、
「言わないで!本当だと信じたいの!」と。


コメンタリー情報ではありませんが、映像権をディズニースタジオには売らないことがトールキンの遺志らしい。
ディズニーだとビジュアルは確かにその通りなのに、うっすい物が出来上がるから、正解でしたね~
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