mh

三たびの海峡のmhのレビュー・感想・評価

三たびの海峡(1995年製作の映画)
-
戦時中の朝鮮人徴用工問題についての映画。
•徴兵によって不足した労働力を補うため朝鮮から連れてこられた。
•人権を無視した過酷な労働環境。
などの大きな問題とともに、
•最初に契約書を交わしてる。
•賃金は支払われていたが、中間搾取がえげつなかった。
といった、現代の徴用工問題であまり注目されてない事実についても時間を割く。
問題が多いために廃止された間接雇用の仕組み=納屋制度みたいなものを復活させて生産力をあげようとした炭坑側に問題があるのは揺るぎない事実。
責任者の日本人がマジ憎いんだけど、反日プロパガンダ的な誇張がないので、見ててストレスは少なかった。
関東大震災のときに発生した朝鮮人虐殺のメカニズムにもさらっとふれてびっくりした。
それは、日ごろからこきつかってるため、混乱に乗じて朝鮮人が仕返しにくることを恐れて、雇用者側はデマを流して身を守ったというものだった。
これはかなりありえると思うんだけどどうだろうね。
炭坑から脱走したあと、世話してくれる在日のおじさんが、川筋者をまとめてる絵に描いたようなヤクザなのもよかったなぁ。
面白かった東映やくざ映画「日本暴力列島 京阪神殺しの軍団」を思い出す。
したたかに見えて、一本気という、南野陽子演じるヒロインの造形もよかった。
ラスト5分で急激に火サス化する以外は最高だった。
在日朝鮮人を日本の俳優が演じてるといういまならありえないキャスティングだけど、日本の近現代史の勉強になりますので、どこかで見かけましたらぜひとも。
mh

mh