フラハティ

ソウ ザ・ファイナル 3Dのフラハティのレビュー・感想・評価

ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)
2.6
「ゲームオーバー。」


遂に本作で幕を閉じる『saw』。
多くのトラウマを観客に与えながら、謎が謎を呼ぶストーリーと、複雑に絡み合った人物たち。
そして最後に待ち受ける衝撃。
やっと終わりかという気持ちと、終わってしまうのかという気持ちが入り交じる。
この長寿シリーズも終わりかと思うと感慨深い。

肝心の内容だけど微妙。
シリーズの最終作として、1から追ってきてくれたファンへ向けた作品という印象。
もちろんそれは観ている側としては嬉しいけど、作品のクオリティとして悪影響になってしまってるんじゃないかな。

前作の6では後継者の目線として、サスペンス的な要素としての流れが上手かったが、本作は再びジグソウ(後継者)を追う側の立場としてなので、やはりジグソウの手の上で踊らされている感覚が強い。


冒頭から行われるゲームと、チェスターのゲームを観て、このシリーズが向かいたい方向性が最終作でぶれている。
今までのゲームとの違和感。
さらに、シリーズ初の3Dということもあってか、謎の飛び出しシーンもあるので散漫としている。
そしてまたゲームがオマケみたいな感じになっちゃってるんだよな。
シリーズの最終作だからやりたいことが多いのは分かるけど、中途半端になっている気がする。


6と同じ監督ということで、結構期待してたのにな…。慣れない3Dという要素を取り入れたことで、作品のバランスが崩れたんじゃないか。
終わり方は大体ここまで観ていれば予測できるのに、それを冒頭から入れてしまうのは何て言うか芸がない。
そのシーンを入れながら、ラストで何かどんでん返すのかと思えば、そんなこともない。
なんかなぁ…。

最終作にあたり、着地点がおそらく見えた状態で制作を進めていたため、その範疇を越えるような脚本に仕上げきれていなかったんじゃないかと思う。
確かに、過去作に登場した人物たちが姿を見せるし、この終わり方もファンに向けたものであるというのも理解できる。
ただ、キャラクターたちがこのラストにしたいがための行動なのがまるわかり。
特にジルとか。あの後継者とか。あんま言わんけどさ。


6で復活したかに思えたサスペンスとしての目線と、ジョンが本来願っていたゲームの意味。
それが最終作で活きることはなく、あの6の良さはどこにいってしまったんだとも思わせる。
それは後継者の暴走だから、ということで本作は決着するんだろうが、作品としてもゲームとしてもそこまでの魅力がなくなってしまったと寂しくなった。
ちょっとゲームのネタ切れ感も見えていたしね。


ということで、『saw』シリーズ終了!
年末に、圧倒的ごり押し失礼しました。
このシリーズを最後まで観終えることで、スキルが上がった気がする。何のスキルかはわからんけど。笑
新作は評判が良いみたいだが、7年も間あければそんくらいのクオリティのやつができるっていうのを証明したんじゃないか。
まあレンタル待ちだけどね。笑
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