CHEBUNBUN

ふゆの獣のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ふゆの獣(2010年製作の映画)
3.0
【全員不倫】
東京フィルメックス第20回記念として、過去の受賞作品から観客投票で上映作品が決められた。その1本『ふゆの獣』を観た。

今年のフィルメックスは、#MeToo 問題以降声が強まった女性の社会地位向上をアートという側面から拾った作品を中心に市山尚三は選んでいただけにタイムリーな選出となっている。

ダメ男に尽くす女、彼女は知っている。彼が不倫していることに。しかし、それでも彼の愛を求めてしまうという話を軸に何人かの人物の話が重なるもの。やがて観客は、登場人物全員が不倫していることに気づき、彼女たちが一堂に介する修羅場を指を咥えて見守ることとなる。

上映素材が悪く、音飛びが激しかったり、前半は陳腐なドロドロ人間ドラマというイメージが強く、あまり乗れなかったのですが、終盤の修羅場のあまりの酷さに爆笑しそこからボルテージが上がってきた。

クズが追い詰められると、自己防衛の為に無茶苦茶なことでも、さも正論のように振る舞うおかしさを風刺した本作はなかなか見応えありました。
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