福福吉吉

愛と復讐の挽歌の福福吉吉のレビュー・感想・評価

愛と復讐の挽歌(1987年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
ユンはシュの組織で頭角を現し、手段を選ばぬやり方で自分の支配下を増やしていく。一方、ユンの弟のクォはマラッカに移住して静かに暮らし、マフィアのボスのチャイ(※)は抗争を激化させないよう話し合いを進めていた。そんな中、ユンはシュを殺害し、組織のボスになり、チャイへの攻撃を激化させ、それがチャイの家族にまで及ぶようになり...。

※チョウ・ユンファ演じるマフィアのボスの名前は本作の字幕では「サイ」となっていますが、前作「愛と復讐の挽歌 野望編」と統一性がとれないので「チャイ」と表記します。

◆感想◆
前作「愛と復讐の挽歌 野望編」の続編となっており、かつての仲間だったマフィアのボスとその部下の義兄弟が袂を分けたその後を描いた作品であり、裏切った義兄の悪役ぶりが異常なほどハマっていて、これまで観た作品の中でも極悪さでは群を抜いていました。

本作ではマフィアのボスのチャイ(チョウ・ユンファ)、義兄弟のユン(アレックス・マン)とクォ(アンディ・ラウ)のその後を描いているのですが、裏切ったユンの暴れっぷりが凄まじく、同じマフィアながらユンの極悪さが本作のストーリーを大きく動かしていき、チャイやクォが受け身の展開になっていて、チャイやクォの方が善という描き方なのですが彼らの考え方が甘く、悪に振り切ったユンの方が一枚も二枚も上手で憎たらしいキャラクターながら強さを感じました。

ストーリー終盤まで、ユンの攻勢にチャイたちが耐える展開が続くので、フラストレーションが溜まりましたが、その一方でユンが手を緩めず次の手をどんどん打ってくるので、テンポは良くて作品の中に取り込まれました。

本作の最大の見どころとして、ラストのチャイやクォがユンの組織に反撃するシーンがかなり派手に演出されていて、ロケットランチャーで多勢を建物ごとぶっ飛ばす姿はこれまでの鬱憤を晴らすものがあって良かったと思います。

マフィアの世界を描いた作品にも関わらず、一方のあくどさが極まっていて、もう一方が善人に見えるという不思議な作品となっていて、最後まで楽しく観ることができました。アレックス・マンの悪人ぶりがやはり光りました。

鑑賞日:2025年8月28日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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