回想シーンでご飯3杯いける

タンポポの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

タンポポ(1985年製作の映画)
3.4
ラーメン好き、というか「食」にこだわりのある人なら観ておきたい作品。

冒頭からアイメイク濃い目のマフィア風の男優が出てきて、何だこれ?と途方に暮れたものの、それが若き日の役所広司である事に気が付き驚かされる。彼は本編に関わってこない独自のキャラクターとして登場。本作のスパイスとして独自の存在感を放っている。

旦那に先立たれた未亡人が1人で切り盛りするラーメン店。今では街の無法者の溜まり場となっている。そこにたまたま訪れたカウボーイハットのトラック運転手が、自らのラーメン哲学で店の建て直しをはかる、というのが大まかなストーリー。よそ者が世直しをはかるプロットは、つまり西部劇の王道パターンなのだ。だから運転手は分かり易くカウボーイハットを被っている。

役所広司の他に、山崎努、宮本信子、渡辺謙、加藤嘉、大滝秀治など、味のある俳優が多数出演。惜しむらくは、ラーメンの流行の変遷もあり、現代の目線で見ると、今いち美味しそうに見えない事。逆に言うと、こういう目線で観てしまうのは、僕が大のラーメン好きである証拠でもあるんだけど(笑)