父親の「世間体を気にしないのが子どものいいところじゃないか」という発言を引き金に、世間体によって息子二人を抑え込もうとする別の家の子供が現れる。大人の事情のせいで離別と災難に遭う子どもの話。悲惨さは抑えられているけど、『自転車泥棒』に先んじてる感もある。
夜の家の蚊帳のこちらと向こうの切り返し、オリンピックごっこを映す時の障子の使い方、木登りのときに子どもの視点をカメラに収めない寡黙さ。何を映して何を映さないかの選択が鋭く決められているように感じる。清水映画お馴染みの橋は今作だと四種類くらいでてくる。
冒頭近くの嫌味を言われるたびに次男が頭をかくシーンが好き。