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シャンドライの恋のcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

シャンドライの恋(1998年製作の映画)
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中学二年生の頃、クラスを担当した教育実習の先生がいた。当時14歳のあたしにとって、大学生だった彼女はとても大人で、なんだか憧れのお姉さんみたいな存在だった。だからそんな彼女とメールをしたり、ふたりきりで江ノ電に乗って江ノ島まで出かけに行くことは、とても特別なものだった。ちょうど映画を観るようになってた頃で、あたしは彼女に一番好きな映画は何かと尋ねた。彼女が教えてくれた作品は、このシャンドライの恋だった。
あれからもう18年も経っちゃったよ最上先生。先生あのね、あたしやっと、やっと観たんだ。


愛を告げられ、戸惑い、突き放し、(吐き気までしたのに)でもなぜかいつもあなたの姿を目で追ってしまう。あたしには夫がいる、あたしは彼を待っているんだずっとここで。なのにどうしてあたしは、嬉しいはずの夫の突然の帰宅の知らせに少し動揺してしまったのだろう。明日には夫が帰ってくる。最後の一人の夜に、ずっと蓋をしていたあなたへの気持ちを認めようと思ったんだ。


他に行く場所もない(囚われの)シャンドライ、夫の不在時の突然の告白と、自分の気持ちに戸惑うシャンドライ、、“besieged”ってタイトルに、なるほどな、ってなる。
恋に落ちるのに、理由なんていらないよね。すべてを擲ってでも相手の望むものを差し出そうとする姿見ちゃったらさ、そこまで想われちゃったらさ、どうしたって揺れるよ。毎日のように顔合わせてたらさ、嫌でも意識しちゃうよ。i love youって伝えたくもなるよ、だってこれが最後のチャンスなんだもの、酒の力を借りて今日だけは素直になるんだ。一夜をともにして、何事もなかったかのようにふたりはそこで終わるよ。彼女は元の場所へと帰っていくだけのこと、お互いにね分かっていたけどね、だけどねやっぱり切ないよ。
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