Kororin68

復活の日のKororin68のレビュー・感想・評価

復活の日(1980年製作の映画)
2.0
パンデミック映画、引かれてしまうこのご時世。
致死率100%(映画の中では、50%台で言われるけれど、結果的には誰も生き残ってないし)のウィルスの恐怖。
しかし、そのパニックに、正気を失う人間のほうが怖かったりする。
新型コロナの致死率は遥かに低いのに、それでも、これだけ人間の狂気が見えるなんて、ようするに人間性だなぁ…と思う。
小松左京の大作を、改めて味わいました。

「復活の日」って言葉、教会での独白、イエス像の「沈黙」、イエスに見えるヨシズミや、最後の再会が〈絶望の女性たちが彼を見つけて駆け寄る〉構図で〈復活のイエスと再会するマグダラのマリヤたち〉を思わせることなど、象徴的なのかなぁ。

とはいえ、それより何より・・・(`ヘ´) プンプン。
生き残った隊員たちが、僅かな女性と「一妻多夫」のシステムを選ぶって何よ、あれ??
「種の保存」が「女性の人格」より優先する????
「本能」のためなら「自由」は犠牲にしていい???
アホか!
そんな人類、滅んでしまえ!!

40年前の映画だと、こんなセクハラ、ジェンダー無視も、疑問も持たれなかったのかもしれない。
でも、今これを見たら、心底「これはないよ!!」って思う。
キリスト教的なモチーフも、パンデミックのリアリティも、美しい南米の自然も、ジャニス・イアンの主題歌の美しさも、この一点を正当化はしない。
「種の保存が最優先」なんて感覚はアウトだって、叫んでやる。
そんな男性や人類は、復活しないでくれ。
Kororin68

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