映画男

ロイドの牛乳屋の映画男のレビュー・感想・評価

ロイドの牛乳屋(1936年製作の映画)
3.5
ひょんなことから牛乳屋さんからボクサーになってしまったロイド。イカサマ試合を重ねてチャンピオンになって勝ち進んでいくが…という物語。本来サイレントで成立する誇張したアクションのギャグが普通にトーキーで繰り広げられるからイマイチおもろない。試しに、1.5倍速でDVD再生して、音声の代わりにトルコ行進曲を流しながら鑑賞した。かなりしっくり来た。とはいえせっかくトーキーなんやし、てことでその後は通常再生して鑑賞した。正直、おもろなかったということはなく、むしろスクリーンから飛び抜けるほどの愛おしさをこの映画から感じた。「この映画をおれが守らないと誰が守るんや」という得体の知れない母性がおれの中から溢れてきた。初めての感情だった。道端で捨て子を拾った気持ちだ。どないしたらええんやこの感情。モヤモヤしたおれは冷蔵庫の前に立ち牛乳を一気飲みした。放屁した。屁は止まらなかった。こんな事してる場合じゃないと、誰かが言ってきた気がした。
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