垂直落下式サミング

ゴジラ対メガロの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)
2.0
197X年、アリューシャン列島のアスカ島で行なわれた国際核実験は、太平洋の生態系の大部分に影響を及ぼした。怪獣島とシートピア海底王国も被害を受け、シートピア人は地上人に報復すべく王国の守護神メガロを地上につかわし、地上への攻撃を開始した…というプロローグに、「人間が悪いんじゃねえか!!」とツッコミを入れざるを得ない。
彼等は防衛権を行使しているだけなのだ。ならば、『ノンマルトの使者』のような意味深な問い掛けがなされるのかと思ったら、そんなものはダムに沈めろという能天気な着地。ちょっと頭のいい子供なら下手すると侵略戦争肯定ととりかねないので、子供向けにしてもどうなの?と言いたい配慮が足りないシナリオである。アンギラスも活躍しねえし。なめんなよ。
メガロのデザインは昆虫モチーフ怪獣のなかでは好き。コイツはこの一作しか出てないのに、格闘ゲームでは並みいる古参キャラクターを差し置いて二回連続でプレイヤーキャラクターに選出されるなど、映画ではパッとしなかったのに他メディアではなかなか活躍している怪獣であり、シートピア人の枕営業侵略がまことしやかに囁かれている。
だが、やはり本作ではジェットジャガーが強く印象に残る。陰険きわまりない人相の不適な笑みをたたえた心の宿った金属の塊である。ダサい!
あと、監督はガイガンをデザインしたのは水木しげる先生だと言っていたけど、どうやら違う人らしい。