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子連れ狼 親の心子の心のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

子連れ狼 親の心子の心(1972年製作の映画)
4.5
尾張藩士加藤某の妻女に夫の仇、別式女・お雪(東三千)を斬るべく依頼された拝一刀(若山富三郎)は、お雪のことを聞くため刺青師字之吉を訪ねた。宇之吉は一刀に、お雪の肌に、乳をまさぐる金太郎童子を胸に、山姥の入墨を背中に彫ったことを話す。その頃屋外で待っていた大五郎は、三河万才の後を追って行き、迷子になってしまった。一日、二日と父を捜す大五郎は飢えと寒さに憔悴してくる。やがて、ある寺で父と似た姿を見たが人違いだった。だが、その男、柳生軍兵衛(林与一)は大五郎の死生眼を見抜きハッとする。そして大五郎の後をつけていく。かつて、軍兵衛は拝一刀と立ち合ったが破れ、密かに剣術修業をしていたのである。一方、大五郎は野道を歩いている時、突然、野火にかこまれる。突差の判断で死地を脱するが、大五郎を見ていた軍兵衛は、子連れ娘の子狼と察し大五郎を斬ろうとする。その時一刀が現われた。父に走り寄る大五郎。一刀は斬りかかる軍兵衛の片腕を斬り落とし、大五郎を抱きその場を立ち去る。柳生の執拗な襲撃をかわしながら、一刀はお雪が乞胸村の出身と知り、村の長・乞胸仁太夫(山村聡)と会う。乞胸とは大道芸を売る芸人で全国的な組織をもつ特異な集団のことである。一刀が来た理由を仁太夫は既に知っていた。そして、お雪が仁太夫の娘であると知った一刀は苦悩する。しかし、仁太夫はお雪のかくれ場を一刀にそれとなく教えるのだった。お雪と一刀は遂に相峙した。そこへ孤塚円記(岸田森)が尾張藩の追手として出現。この円記こそが、お雪がかつて凌辱され怨みをはらすべく狙っていた男なのである。一刀は二人の対決を見守る。お雪は刺青に幻惑された円記を斬った後、自ら一刀の刃に討たれるのだった。やがて一刀は事の真相を知らせるべく尾張藩へと乗り込んで行った。
若山富三郎版「子連れ狼」シリーズ第4作。
今回は、かつて一刀と公儀介錯人を争ったライバル柳生軍兵衛との因縁の対決、哀しき宿命を背負った元別式女お雪との交流と対決が描かれる。
一刀VS軍兵衛の対決は、達人同士の技と技の壮絶なぶつかり合いが楽しめる。
柳生忍軍VS一刀のバトルは、一刀が側転しながら敵の足を狙ったり、火縄銃などのギミックを仕込んだ箱車を使った奇想天外なバトルが楽しめる。
一方、修羅に生きる一刀と大五郎、仁太夫とお雪親子の強い絆、仁太夫とお雪の絆と哀しき宿命を酌んで尾張藩に立ち向かう一刀の一匹狼なりの武士道に心揺さぶられるヒューマンドラマもあり、変わらず楽しめるシリーズ第4作。
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