ベルベー

水の中のつぼみのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画界の家父長制に憤り引退を表明したアデル・エネルと「燃ゆる女の肖像」でタッグを組んだ(そして私生活でもパートナーだった)セリーヌ・シアマの初期の代表作。面白かった。少女の少女に対する激重感情が描かれる本作に於いて、男性は有害とかですらない。排泄物に近い。男という糞さえ存在しなければ美しい世界なのに。忌むべき汚物だが、生活とは切り離せない。そういう視点だ。超偏ってるが、実のところ彼女達は共感とか求めてないはず。

興味深いのは、男=排泄物を画面から掃除して排除して削除して浮き彫りになっていくのは、女の女に対するルッキズムということ。排泄機能を切り離したいけどできない怒りと悲しみに帰結していくが、詰まるところ人間なんて皆排泄物なのかもしれない。しかしラスト。ルッキズムからの解放は、少なくとも彼女達は排泄物であることを拒否したことを意味しているはずだ。やべえ糞の話しかしてない。けど汚い映画じゃなくて綺麗な映像が多いよ唾はやたら吐くけど!同時代性から乖離したシンセ劇伴がまた良くて印象的。
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